奇跡の地球物語「カロリー」

カロリー





真実には特定の時などない、真実はどんな時代にも真実である。
アルバート・シュバイツァー


★チョコレートを食べると太るのか?
いや、実は、同じカロリーを持つ食品と比べてみても、著しい体重の増加や、肥満の現象は現れず、チョコレートを食べると太るという科学的根拠は無い。
どんな食べ物も食べ過ぎれば体重は増える。
問題はなにをどれだけ摂取したか・・・
いまやレストランのメニューやコンビニの食品にもカロリーが表示されているのが当たり前の時代。
しかし・・・そもそもカロリーとはなんなのか?
高カロリーの食品と共に誰もが気になる体脂肪・・・
脂肪は果たして悪なのか?
脂肪を減らせば健康になれるのだろうか?

★今回のテーマは「カロリーと脂肪」
私たちが生きるために必要なエネルギーと命をつないできた生命と進化の秘密に迫る!

美しく健康な体を維持したい・・・
そう心がけている人たちが、毎日の食生活で気になることは、食品が持つカロリーのことではないだろうか?

カロリー・・・

私たちは普段、何気なく使っているが、そもそもこのカロリーという言葉は何を表す言葉なのだろうか?


【国立健康・栄養研究所 田中茂穂プロジェクトリーダー】
カロリーとは熱エネルギーの単位のことです。
1カロリーとは、水1gの温度を1度上げるために必要なエネルギーです。
食べ物のエネルギーは、その食べ物を燃やすことによって計ることが出来る

つまりそのものを燃やした時に出る熱量がカロリーということになる。
カロリーを計ってみる・・・
今では、計測器で簡単に食品のカロリーを知ることが出来る。
 ・バナナ・・・58kcal (お茶碗半分ほどのご飯に相当する。)
 ・寒天・・・30グラムのカロリーを測ってみた。
 結果は122kcal ・・・ ところが店で売られている商品には、ゼロkcal と表示されている。
 これはなぜだろう?

【国立健康・栄養研究所 田中茂穂プロジェクトリーダー】
人はその食品が持っているエネルギーの全てを体で使うことが出来るわけではない。
食物繊維が多くて吸収率が低いので本来持っているエネルギー比べると実際に人が吸収して使えるエネルギーというのが非常に低くなってしまう。

個々の食品にあるカロリー表示は、食品が持つ全エネルギーではなく、人がその食べ物から得ることが出来るエネルギーの量のことである。
一般的に成人男性は、一日 2,300Kcal 女性は、2,000Kcal が必要とされている。
では、私たちが様々な食べ物から得たエネルギーは、どのようにして消費されるのか?

実はエネルギーの半分は基礎代謝によって消費されるのである。
基礎代謝とは、呼吸や内臓の働きなどでエネルギーを消費すること。

基礎代謝は寝ているときにも働き、一日肉体が消費するカロリーの6割~7割を占めており、一般成人女性がおおよそ1200 Kcal 男性で1500 Kcal ほどと言われている。
一方、歩いたりスポーツをしたときに働く活動代謝と呼ばれるものは、どんなに体を動かしている人でも、一日の消費カロリーの5割未満にすぎない。

私たちのエネルギー源となるのは、糖質、脂質、たんぱく質のいわゆる三大栄養素。
人がこの三大栄養素を摂取すると、たんぱく質はアミノ酸に、糖質はブドウ糖に、脂質は脂肪酸などに形を変え、エネルギー源として体中の組織に運ばれる。


しかし、エネルギーとして使われずにあまった栄養素が脂肪となって蓄積される。
例えば、1日で摂取した全エネルギー 3,000 Kcal のうち、2,500 Kcal 消費すると、あまった500Kcalが脂肪となり、体内に蓄積されるということ。


これが太る仕組みだ・・・

しかし、そもそも人が太るのは当たり前なこと。


【石井直方教授】
人間というのは人間である前に動物である。
自然環境の中というのは十分に食料があるというわけではない。
エネルギーを摂取できるときには出来るだけたくさんエネルギーを取り込んで体の中に蓄えて、食糧が少なくなっても生き延びる。
そういうからだの仕組みを持っている方が、生存にとって有利。
現代の人間のそのような仕組みになっている。

人類がこの世に誕生して700万年、その歴史を24時間に換算すると、労せず食料を手に入れられるようになった期間は、わずか1秒にも満たない、残りの時間は、飢餓との戦いの歴史であった。
十分な食料を確保できない時に備え、摂取したエネルギーを脂肪として蓄える。
このシステムを手に入れたことで、人類は命をつなぐことが出来たのだ。

ダイエットに夢中な女性から見れば、脂肪は天敵のような存在かもしれない
しかし、脂肪は私たちが生きていく上で必要不可欠なものなのである。
人類が歴史の中で得た生きるための戦略と言える脂肪の蓄積。
そもそも脂肪はいつから地球上に存在するのか?

【黒島名誉教授】
最初に脂肪を体に蓄えたのはクラゲの祖先であると考えられている。
クラゲがはじめて獲得したという脂肪だが、その機能は、私たちのようにエネルギーを蓄積するのではなく、浮き袋として機能したと考えられている。
エネルギー源として脂肪が使われるようになったのは、クラゲが出現してから更に、数千万年後。
魚類をはじめとする、脊椎動物が登場し始めたころ。
おおよそ、一億年前には我々の仲間である恒温動物の哺乳類が地球上に現れてきた。
そして一層、脂肪組織が発達してきた。
地球上の寒冷環境への適応(体温調節)するため更なる進化。

実は、私たちの体内にある脂肪には、エネルギーの貯蔵庫としての役割以外にも、体温の調節を行うという大切な役割がある。
脂肪が熱を生み体を寒さから守っている。
エネルギーの保存、体温の調節、そして脂肪にはもうひとつ大切な役割があるという。

【東京大学 石井直方教授】
人間の体のなかで一番、脂肪がつきやすい部分というのが、断然、おなか回り。
どうしておなかの回りかというと、人間の進化のプロセスに理由がある。

人が二足歩行を始めたとき、腹部が無防備な状態で前方にさらされることになった。
腹は、胸のように骨でガードされていない。
しかし、腹の内部には、胃腸などの重要な機関があり、それを外部の衝撃から守る、言わばボディーガードのような存在・・・それが脂肪なのだ!

脂肪の大きな3つの役割。
 ・エネルギーの保存
 ・体温調節
 ・身体保護
脂肪は私たちにとって必要不可欠なものである。
密林の聖者といわれる偉大な医師がこんな言葉を残している。
真実には特定の時などない、真実はどんな時代にも真実である。
アルバート・シュバイツァー
遥か古のときから命を守ってきた脂肪。
間違った情報を鵜呑みにすることなく、脂肪の真実を見ない限り、正しく脂肪とは付き合えないのである。

脂肪には大きく、皮下脂肪と内臓脂肪の2つに分けられる。
一般的には、男性に比べ、女性のほうが皮下脂肪が多いといわれるが、実はこれ・・・男女の役割と関係が深い。
思春期、女性は体内から女性ホルモンが分泌されることにより、胸が膨らみ、腰回りが丸みを帯びる。
これは妊娠や出産に備えた肉体の成長。
命を宿し、そして育て上げる。
その役割を果たすため、女性は皮下脂肪の多い肉体を手に入れることになった。
一方、狩などで獲物を捕らえなければならない男性は、動きやすい肉体を必要とした。
そのため、余分な皮下脂肪は邪魔になり、過剰に摂取したエネルギーは内臓脂肪として蓄積されるようになったといわれている。

脂肪は生きるために欠かせない。
しかし、脂肪細胞が過剰なエネルギーを貯め込み膨れ上がると肥満につながる。
無駄な脂肪を燃焼させることが必要となる。

【東京大学 石井直方教授】
体重を落とせばいいと考えがちですが、体重を落とすことではなくて、余分な体脂肪を落とすこと。
脂肪を落とすというのは簡単にはいかない。
長い時間をかけてじっくりやらなければいけない。

サウナに入って汗をかけば1日で2キロ程度の体重を瞬間的に落とせる。
しかしこのとき減るのは、体内の水分のみ。
汗と一緒に体脂肪が流れ出すことはない。

仮に体脂肪を10キロ減らすとしよう。
体脂肪 10キロが持つエネルギーは、70,000 Kcal これをウォーキングで消化するには、単純計算で、東京から札幌までおおよそ、830Km 歩かなければならない。
非常に困難なことだ。

1週間や10日でダイエットを成功させようというのは無理な話。
仮に5キロの体脂肪を減らしたいなら、1年ぐらいかけて強い意志の元、徐々に落とすことが必要だという。

【東京大学 石井直方教授】
確実に成功させようと思ったら・・・
一番基本的なやり方というのは、基礎代謝を高めること。
実際には1日のエネルギーの消費量の約7割ぐらいがこの基礎代謝に相当する。
特に、筋肉を鍛える。
筋肉量が増えると、それに応じて基礎代謝が増えると考えられている。

脂肪を減らすためには筋肉をつけることが大切なのだ。
筋肉が増える分だけ体重が増えると思っているは間違えである。

人間が基礎代謝を高めるためには、どうすればよいのか?

ひとつの答えは、筋肉を増やすこと。
体に発生する熱の大半は、筋肉によって生み出される。
筋肉は動かしていなくても大量のエネルギーを自動的に消費してくれている。
一般的に筋肉が1㎏増えると、基礎代謝によって消費されるエネルギーは1日当り、50Kcal ほど増加すると言われている。
これで単純計算してみると、筋肉が2㎏増えれば、何もせずに、1年で 5㎏の体脂肪が減ることになる。
同じ重さの脂肪が筋肉に変わるとその分、体は締まる。
例えば体重が同じ 50㎏でも脂肪が減った分、スリムな体系になることが可能。

本気でダイエットに取り組みたいなら、
 ・バランスのよい食事
 ・筋トレ
を無理のないペースで継続することが大切なのだ。

甘いものに対して、食べると太るというイメージを持つ人が多い。
しかし、糖分も体には必要な栄養。
例えば、コーヒーに砂糖を入れたからと言って、太るわけではない。
一般的に、食べ物や飲み物からとる糖分のうち、おおよそ 25%は脳が消費していて、時としてこの数字が 70%に上昇することがあるという。

では、なぜ脳は糖分を必要とするのか?

【北條俊太郎先生】
脳が利用できるエネルギーというのは、大部分がブドウ糖。

勉強やディスクワークをしているときに、甘いものがほしくなった経験はないだろうか?
そう、これは脳が栄養をほしがっているサイン。
こんな時、甘いものを取ることで、脳の働きは良くなるのである。

この後、私たちの脳が驚くほど、多くのエネルギーを消費しているというお話を紹介しましょう。


私たちの脳はどれくらいのエネルギーを消費しているのか?
脳の重さは、体重の 2%程度にすぎない。
しかし、体重の約半分を占める、筋肉と同じくらいのエネルギーを消費している。
その量は基礎代謝の 5分の1 に相当する。
脳は私たちの想像以上にエネルギーを消費しているのだ。

唯一の栄養源であるブドウ糖は、脳を働かせるのに必要不可欠なもの。
だからと言って糖分を大量にとって言いということではない。
摂取量と摂取するタイミングが大切だ!

【北條俊太郎先生】
一般的に人は1日に食事を3回、きっちりでんぷん質を取ってほしい。
そうすると、血糖があまり波打たないで(安定して)丁度いいレベルでコントロールされやすい。
ですけど、時々、足りなくなる状況があると思う・・・
特に朝方、スポーツの後など、体の糖分が足らない状態になるので十分取りましょう。

太るから甘いものを取らない。
それでは脳の働きが悪くなる。
適度な量の糖分であれば、脳がエネルギーとして消費してくれる。

脂肪を目の敵にしてきた人はたくさんいるだろう・・・
しかし、脂肪は決して悪ではない・・・

太古の時、クラゲが始めて獲得した脂肪。
後に様々な動物たちに受け継がれた脂肪は、生きるためのエネルギーを蓄える、貯蔵庫として今日まで命をつないできた。
熊やリスは、厳しい冬を迎える前に、
ペンギンは新しい命を育む為に。
渡り鳥は遠い地に向け飛び立つ準備として・・・
脂肪を蓄え、エネルギーを確保する。

そして私たち人間も・・・

適度な脂肪は健康の証。
それは私たちにエネルギーを与えてくれる。
健やかな明日を生きるための活力を・・・
やがて来る未来へ命をつないでいくために。

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テーマ:情報番組 - ジャンル:テレビ・ラジオ

[ 2010年10月31日 18時02分 ]
奇跡の地球物語
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[2010/11/04 10:05] URL | あ #- [ 編集 ]
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