奇跡の地球物語「熱中症 体温と汗の秘密 」




最高気温が30度を超える真夏日。
35度を超える猛暑日が続き、ますます高まる熱中症の危険。
梅雨明けが例年より早かった今年は熱中症の救急搬送数が昨年より多く、今月2週目の時点ですでに3万9千人を超えている。

熱中症は気温が高い時に引き起こされるさまざまなことを指す。
突然襲うめまいや湿疹、けいれん、その時、体の中でいったい何が起こっているのか。
体温が上がると体は汗をかくとともに皮膚の血管を拡張させ、流れる血液の量を増やす。
そして、外気との温度差で皮膚から熱を逃がして体温を下げようとする。
だが、皮膚へ送る血液の量が急に増えると血圧がさがり、逆に脳に行く血液の量が減ってしまう。
そのため、めまいや湿疹が引き起こされる。

また、汗をかくと水分だけでなく塩分など人体に必要なミネラルも体の外に放出されてしまう。
そのため、そのため大量の汗をかくと、筋肉が異常に収縮してけいれんを起こす。

そしてそのまま水分補給をしないでいると、次第に汗が出なくなり、体は冷却器のを失う。
さらに体温が上昇し、もし40度以上上がると重度の意識障害になることもあるという。
卵を加熱すると固まるように、人体を構成するたんぱく質は、一度熱により変性すると冷やしても基に戻らなくなってしまう。
そのような危険を避けるために、人体は体温が40度を超えないようにするメカニズムがあるという。

体温について研究する井上教授に伺った。

【大阪国際大学教授:井上教授】
40度になると、脳から中枢性に疲労を起こしてくれる。
これが42度以上になった場合は、タンパクで出来た我々の体が、不可逆的にやられてしまいます。
特に脳が一番やられてしまう。 
だからうまい具合にこの2度の差ということが安全地帯っていいますか、まだ緩衝地帯なんですよね。
だから我々の体は40度になった途端に、それ以上、ものを動かさないようにします。」

人体が設定した体温の限界は40度。


限界の40℃を超えると、脳は疲労物質を出して体を動かさないようにし、それ以上熱が生まれるのを防ごうとする。
こうなると、すぐに体を冷やさなければ危険な状態である。
このような危険を回避するため、普段私たちの体は緻密な体温調節をおこなっている。
教授によると計算上、体重65キロのヒトが、時速10キロで走り、もし体から熱が全く逃げない場合には、30分ほどで体温は42度を超えるという。
それは身体のタンパク質が凝固し死に至る温度だ。
しかし一流のマラソンランナーは、それよりも速い速度で、およそ2時間かけて42キロを走り抜く。
彼らの体温は一体どのようにコントロールされているのか?

ここで哺乳類における体温調節方法を見てみよう。
多くの哺乳類は体温が上がると木陰で休んだり、水浴びをしたりする。
ゾウは
 大きな耳に血管を集中させており、耳を振る事で血液の温度を下げ、体温を下げるという事も行う。
犬などは、
 走った後に舌を出し、浅い呼吸を繰り返す事で体の熱を逃がす。
しかし,多くの哺乳類はあまり長い時間走れないという。
走ると熱を逃がすことが間に合わず,すぐに体温が上がりすぎてしまうのだ。
ライオンの場合数分ほどしか走れず、狩りが苦手ともいわれている。
速さこそ劣るものの、他の哺乳類より、圧倒的に長い距離を走れる人類。
それは私たちヒトの体が他の哺乳類たちとは一線を画す体の冷却機能「汗腺」を進化の過程で手にいれたからである。

人類が手に入れた汗という体温調節のメカニズム。実はそこに、熱中症の原因も潜んでいる。

■年を重ねるとなぜ熱中症にかかりやすくなるのか?



運動をするとき、人はどのようにして体温を調節しているのか?
ランニング中の体温の変化を観察してみよう。

【実験その1】
協力いただいたのは、ヒトの体温調節について研究する近藤教授と、井上教授のお二人。そして、陸上部員の大学生。
鼻の穴から温度計を体内に入れ、走っている間の食道の中の体温を観察する。
皮膚の温度は気温によっても変化するが、食道など体の中心部は環境による影響が少なくほぼ一定。
平常時は平均して37度に保たれている。
まずは室温25度。運動しなければ汗をかかない温度に設定。時速10キロでランニングをしてもらう。
走り出すと間もなく体温が上昇し始める。

約10分後・・・およそ37.5度に達したところで、一旦、体温の上昇が止まり、微妙に上下動を繰り返しながら少しずつ上昇していく。
この時カラダに何が起きているのか?
体温の変化とともに計測した額からの汗の量をグラフに重ねてみると・・・体温の急上昇とともに発汗量も急激に増えている。
次第に体温の上昇がゆるやかになると、汗の量の上昇も遅れてゆるやかに変わる。
汗をかいた事で、体温の上昇が抑えられているのだ。
30分後・・・今度は室温を30℃に上げる。運動していなくても汗ばむ温度に室温を上げ、同じ速度で走ってもらう。

【神戸大学教授:近藤教授】
体温自体は先ほどの25度の時とほとんど同じで、37.5、気温が上がったとしても同じ値を保ってますね


室温を上げても、体温の上がり方はあまり変化しない。
37.5度で一旦止まり、微妙に上下動を繰り返す。
室温が上昇した分、汗の量を増やすことで体温の上昇を抑えているのだ。時速10キロで50分走っても、体温は37.7度以上にはならなかった。

【神戸大学教授:近藤教授】
ちょっと体温が上昇し始めるとすぐに汗が出てくる状態ですね。
上がりすぎると、タンパク質が固まるような形になるので、そうすると元に戻らないので、そこに到達しないように脳の温度が上がれば、汗腺に命令を送って早く汗をだせと指令するという仕組みになっていますね。

体温が上昇すれば脳の温度も上がる。

額から大量の汗をかくのは特に熱に弱い脳を守るためでもある。
温度を色で表示してみると、汗をかくと頭の温度も下がっているのが分かる。

■汗がどうして体温を下げるのか?

 
それは、水分が蒸発する際、熱をうばっていく性質を利用しているのである。
これは気化熱といって、夏、打ち水をして庭先を涼しくするのと同じ原理である。
蒸発する事によって体から熱を奪う汗。
さらに、私たちの皮膚には、この汗の蒸発を促す進化の過程で手に入れたあるデザインが隠されているという。
汗が噴き出す箇所を拡大してのぞいてみると、汗はシワとシワの交わる部分から出てくる。
シワを雨どいのようにつたい、薄く広がることで、皮膚から汗を蒸発しやすくしているのである。
熱中症を予防するには、汗をかくことに加えて、汗を体から蒸発させることが欠かせないのである。

体の冷却機能、汗。


実は年齢を重ねるごとに汗のかき方は変わってくるという。
高齢者が熱中症にかかる前、体はあるサインを発していた。

昨年、熱中症が発生した時の気温と湿度を見ると、湿度50%あたりから気温30度以下でも湿度の上昇とともに熱中症の発生件数が増えていく。
気温だけでなく、湿度が高い日は汗が蒸発しにくいため注意が必要なのだ。
さらに、熱中症になりやすい人、なりにくい人の差は発汗能力の違いも一因だという。

【大阪国際大学教授:井上教授】
汗腺というのは、使わなくなると汗腺の感度といいますが、脳からの命令に対して働きにくくなります。
それと共にもっとそれが続きますと、汗腺が小さくなるような事すら起こってきます。
運動するなどして、普段からできるだけ汗をかくようにする
そうすると汗腺の能力は保てるし、トレーニングしていけば体の水分量も増えるという事が分かっています。
血液量、水分量が増える。
そうすると汗をかきやすい体ということを保つことができる。


空調設備の進歩により現代人は夏でも汗をかかず快適に過ごすことができる。
だからこそ、日ごろから運動をし、汗をかく機能を保つことが大切なのだ。

【実験その2】
では 高齢者ほど熱中症を引き起こしやすいのはなぜか。
老化による汗のかき方の変化を調べる実験をおこなった。
こちらは体にはる発汗チェッカー。かいた汗の量に応じて、白いラインが青く変化する。
座った状態で室温を27度から36度まで上げ、一時間。
60代と20代の汗のかき方が違う事がわかった。
20代は、額と脚、両方から汗がでている。
一方、60代は額から汗はかいているものの、脚はほとんど汗をかいていないのである。
これはどういう事なのか。

【大阪国際大学教授:井上教授】
体全身、同一に悪くなるという事じゃないんですね。老化というのは、順番に悪いところが広がっていく。
それがどうしても足からできなくなっていく。
頭はできるだけ最後まで守ろうとする反応があります。だから、頭は汗をできるだけかこうとするのが高齢者の方です。


年齢とともに汗のかく能力は、太もも・背中へと失われていき、60代になると汗の量は20代の85%まで落ちるという。
また60代以降は、脚の汗腺の老化を補うために、頭からの汗の量は逆に増える傾向にあるという。
続いて、運動して汗をかき始めるまでの時間、つまり発汗の反応の速さを調べる。
20代と60代に同じ負荷の運動をしてもらった。
すると、3分ほど経過したところで、20代男性の額からは大量の汗が噴き出してきた。 
ところが、60代男性を見てみると、殆ど汗が出ていない。
結局、60代男性の額から汗がにじんできたのは、運動を開始してから15分後であった。

【大阪国際大学教授:井上教授】
この熱量に対して、必要な汗の量に達するまで間違いなくエンジンのかかりが若い方が早い。
だから、皮膚のセンサーの感度が悪くなって、脳に命令がはいりにくくなる。 
それとともに、脳からだす反応性も悪くなる。命令も遅くなる。
すぐに汗をかけないという事が一番体温調節上は問題になります。


高齢者は汗の量が減るだけでなく、暑さに対する反応も鈍くなる。
気づかないうちに体温が上昇し、熱中症にかかりやすいのだ。

では、どうやって体温上昇に注意すればよいのか。


サインは最後までその機能が失われにくいという額からの汗だ。



【大阪国際大学教授:井上教授】
頭からの汗がでてくるというのが暑さを示すサインになると思います。
体のセンサーが熱いというのを感じにくくても、汗がでてくるのは、体自体は間違いなく暑さを感じていますから、それによって部屋の温度を調節するとか、ということを考えるのも一つの戦略だと思います。」


年をとっても額が汗をかく機能は保たれている。
暑く感じていなくても、もし額が汗をかいたら体温が上昇しているサイン。
熱中症を予防するため、冷房をつけたり、水分補給が必要である。

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだほとんど汗をかくことができない。


体温を調節する力が弱く、温度の変化に注意が必要な時期だ。そして、赤ちゃんは育つ環境に応じて徐々に汗をかく能力を身に着けてゆく。
【【神戸大学教授:近藤教授】】
生活する環境にものすごく汗腺自体が適応しやすくて、生まれて2,3年でその汗を出す汗腺の数が決まる。
我々の体には水が重要ですので、例えば男性であれば体の成分は60%位が水分、それだけ重要なものを出しながら体温をコントロールするという事は、むやみに汗腺の数を多くしてしまうと、すぐに水がカラダから出ていってしまう。
そこで、いろんな環境に適応しやすいように、例えば寒い環境で生活する人には、あまり汗は必要がないので、その場合には汗腺の数自体多くする必要がないという適応がおこっているのではないか。」


赤ちゃんは、全身に約200~500万の汗腺をもって生まれてくる。
しかし、そのすべての汗腺が使えるようになるわけではない。
生まれてから約2~3年の間、過ごした環境によって脳の指令に反応して、実際に汗を出すことができる汗腺の数が決まるというのである。
環境に応じて、必要以上に水分を放出することなく、体温を調節するのに適した汗をかくことができるようになるのである。
さらに、大人になって生活環境が変わったとしても、一つの汗腺からの発汗量が変化し体は、順応できるというデータもある。


今からおよそ700万年前、アフリカで生まれた人類は、食料となる獲物を追いかけて狩りをしていた。
熱帯で暮らしてゆくため汗をかき、効率よく体温の上昇を抑える。
汗をかくのはそのころから生き抜くために欠かせない機能だったはずだ。
そして今、猛暑に悩まされる日本で、この体温調節機能が私たちの健康を支えている。






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[ 2013年08月21日 16時30分 ]
奇跡の地球物語
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奇跡の地球物語「いぬ」

犬-Dog





犬という動物は、
人間から愛されるために生き、
人間を愛するために生きているといってもよいだろう
川端康成



なぜ犬は、私たちと生活を共にする道を選んだのだろう。
可愛い小型犬や勇猛果敢な大型犬。
姿かたちは違っても、そのルーツはひとつだとあなたは知っているだろうか?
人間とその動物との奇跡的な出会いがなければ犬は今、あなたの隣にいないかもしれないのだ。
現在、犬はその驚くべき能力を活かし、あらゆる場所で私たちを助けてくれる。
自分で自覚できない病の兆候ですら敏感に感じ取ってくれる驚異のスーパードッグたち。
もしかしたら、あなたのとなりでくつろいでいる犬があなたの命を救ってくれる日がやってくるかもしれない。


最も人間に身近な動物、犬の知られざる歴史と驚異の能力にせまる。


ポメラニアンとセントバーナード。
体重差は100キロもあるがどちらも同じ犬だ。
一口に犬と言っても、大きさから性格まで実にバラエティにとんでいる。
世界には非公式の犬も含めると1000種類以上の犬種が存在する。


■アルゼンチンのドコ・アルヘンティーン
By erenemre
【写:By erenemre】

 ジャガーなどの猛獣狩りで、猛獣の相手をする勇猛果敢な猟犬

■ポーチュ・キース・ウォータードッグ
By erenemre
【写:By tore_urnes】

 オバマ大統領の愛犬として、一躍有名になったこの犬は、水中の活動が得意。
 潜って網の回収をしたり、船の伝達係として活躍した。

■一見、セントバーナードのようなピレニアン・マスティフは絶滅も危惧された希少な大型犬。
By erenemre
【写:By Llima】

 ピレネーの山奥では羊の護衛役として狼や熊に果敢に立ち向かった。

■ブービエ・デ・フランダース
 フランス最北端に位置するフランドル地方の牧羊犬は、あの「フランダースの犬」のモデルになったことで有名。

個性あふれる犬たち、しかしそのルーツを探っていくと驚くべきとこにある一種の動物にたどり着く。

オオカミ(犬のルーツ)

【東京農業大学:林 良博 教授】
かつてジャッカルというイヌ科の動物がいる。
これが祖先ではないかと言われた時期があったが、今、研究者の意見ではオオカミが祖先、しかも中型のオオカミだと一致している。


オオカミと犬の関係、その骨の数は、一本も違わず、まったく同じ。
両者のミトコンドリアDNAを調べると、わずか、0.2%しか違わないという研究結果も発表された。

では、野生のオオカミはいつ、どのようにして人間とともに生活をするようになったのか?

【東京農業大学:林 良博 教授】
イスラエルあたりからも出ていますし、アラスカからもでている。
一万数千年前のもので、それがどうしてオオカミではなく犬とわかるのか。
確かな証拠となったのが人間と一緒に埋葬された。


林教授によると、約2万年前にはオオカミの家畜化が行われ、それが犬誕生のきっかけとなったと言う。
以来、オオカミは二万年の時を経て、大きさも性格も、能力も違う一千種類にも及ぶ、犬へと変貌を遂げたのだ。

犬の驚くべき能力

約二万年前・・・
か弱き哺乳類だった人類は、集団で狩りを行い暮らしていた。
あるとき獲物を火で炙っていると、その匂いを嗅ぎつけたオオカミが現れた。
攻撃してくる様子はなさそうだ・・・
そう感じた人類は、オオカミに獲物の残りを分け与えた。
この出会いこそ、犬誕生のきっかけとなった歴史的瞬間である。

【東京農業大学:林 良博 教授】
人間が生きていくためには毎日、食事をしますので、非常に安定的な食料が得られる。
これは犬にとってメリット。
人間には猛獣が近づくと吠えて知らせた。


異変を知らせる代わりに餌をもらう。
そんな人間との共同生活を選んだオオカミが最初の犬となった。
そして犬たちは驚くべき才能を発揮はじめる。
人間にはない能力で私たちを助けてくれるようになるのだ。

でもどのような才能で人間をサポートしてくれたのか。
個性あふれる能力の数々を見てみよう。


■運動能力



<スピード>

By erenemre
【写:By Randy Son Of Robert】

そもそも犬は獲物を追いかける動物だ。
まずはこの映像をご覧いただこう(競走馬と犬の競争)
なんとサラブレッドをも圧倒する脚力。
それもそのはず、この犬は通称「風の犬」とよばれるグレーハウンド。
グレーハウンドは、全哺乳類の中でチーターに続いて2番目に足が速いと言われいる。

<スタミナ>

By erenemre
【写:By randihausken】

シベリアン・ハスキーは長く長く走り続けるエキスパート。
約1600キロを犬ぞりで11日11時間27分で走行したという持久力を活かし、極地探査犬として活躍している。

独特なトリーミングが特徴のプードル。
なぜこのようなかりかたをしているかご存知だろうか?
実は、彼らの能力と関係している。
プードルは水泳が得意で、元々は水鳥猟の回収犬として活躍していた。
このトリーミングは水中でも抵抗を少なくするため、保護すべき心臓や関節部分以外の毛をカットしたのが始まり。

<噛む力>
動物の中でもトップクラスと言われるがどれくらい強いのか?
体重が20キロの犬の噛む力は、約160キロ(人間は20?29キロ)これは大人の人間の噛む力のおよそ八倍。
警察犬はその噛む力で一度噛み付いたら放さない。

<聴覚>
獲物が発する小さな音を察知して狩りをしていた犬は、ささいな音も聞き逃さない。

【東京農業大学:林 良博 教授】
人間が聞こえる音の範囲というのは、20から20,000ヘルツの間。
犬の可能域は40から65,000ヘルツで超音波も聞くことができる。


この能力を利用したものが「犬笛」だ。
牧羊犬はこの微妙な音色の違いで単純なストップ・アンド・ゴウだけでない複雑な動きをマスターする。

<視覚>
犬の目には私たちが見えていないものが見えているという。
人間の視野の広さが180度に対して、犬の視野は220から240度とかなり広い。

さらにこのアフガン・ハウンドのように優れた動体視力で獲物を見つける視覚ハウンドという犬種がいて、
この犬種は290度の視野を持っている。

<嗅覚>
いったい犬の嗅覚はどれだけ優れているのだろうか?
その才能は目に見えないものを探し出すサーチ犬としても活躍していることからも分かる。
たとえば・・・

災害救助犬。
地震や土砂崩れの災害で倒壊家屋や土砂などに埋もれた人を迅速に探し出し、救助の手助けをする。

麻薬捜査犬。
言わずと知れた空港の番犬。
ほぼ無臭と言われる覚せい剤ですら見逃すことはない。

火災調査犬
犬の嗅覚は火災現場で放火の証拠を探し出すこともできる。
可燃性の物質がわずかでも残っていたら出火場所を特定できるという。

シロアリ探知犬
人間には判別できないシロアリの匂いを嗅ぎ分け、その場所を知らせる。
的中率はほぼ100%

シロアリや放火の証拠までも嗅ぎ取ってしまう犬の嗅覚。
いったい私たちの鼻となにが違うのだろうか?


嗅覚は匂いを感知する細胞の数できまる。
人間はこの細胞を覆う鼻腔上部の粘膜の表面積がおよそ、3平方センチメートルに対して、犬の粘膜はひだ上になっており、
表面積は、ジャーマン・シェパードの成犬でおよそ、150平方センチメートル。
人間のおよそ50倍の表面積で私たちが感知できない匂いまで嗅ぎ分ける。

花や化学物質の臭いに対しては人間のおよそ数千倍の感度だが、動物の発する匂いに対しては、およそ一億倍優れた感度を誇る。



【東京農業大学:林 良博 教授】
犬は家畜のなかで最も優れている、あるいは野生動物全体をとってみても、人間とこれだけ共感しあえる動物はいない。
共感できる動物は、ほめてもらうことが一番うれしい。


犬がなにより素晴らしいところは、鋭い嗅覚と高いコミニケーション能力。
このふたつがあったからこそ犬は私たちのかけがえのないパートナーとなりえたのだ。

そして21世紀、犬は今まで以上に私たちにとって重要な存在になるかもしれない。
2004年にイギリスの医学雑誌に掲載されたニュースは全世界を驚かせた。
人間のガン細胞に関する何らかの化学物質を嗅ぎ分けるキャンサードックの育成と訓練が報告された。

【クレア・ゲスト博士】
私たちの研究目的は犬がガン細胞の含まれた尿の中のどんな化学物質に反応しているかを解明することです


ガン探知犬のパイオニア、クレア・ゲスト博士は、近い将来、犬の嗅覚によって尿のサンプルからガンを発見するシステムが構築できると予測する。
そして2006年、アメリカで人間の呼気で肺ガンを特定できる探知犬が登場

現在もガン探知犬の研究は世界で行われている。
ガン探知犬は「膀胱がん」「肺がん」「皮膚がん」の特定ができたという論文・資料が発表されている。
かつては、番犬として外敵から私たちを守ってくれた犬が、今度は病気から私たちを救っていくれるかもしれないのだ!


そしてさらに私たちにとって大切な存在なっていく・・・

飼い主と犬の強い絆は奇跡を生む。
あなたのパートナーがスーパードッグになる日がくるかもしれない。

耳の不自由な人に音の存在を知らせてくれる犬を聴導犬という。
彼らは、国が定める、身体障害者補助犬に認定された犬たち。

実はこの聴導犬。
元々は保健所や保護団体に預けられていた犬たち。

シーズーのミックス犬、「しんくん」は、飼育放棄で保健所に預けられていた。
「だいすけくん」は、徘徊していたところを捕獲され保健所に収容されていた。

捨て犬だった彼らは、適性を見出され訓練されたのち、改めて生きる場を得たのだ。

【有馬もとさん】
聴導犬の育成団体は、犬が音を仲間に教えるのは本能であるということで、ほとんどを捨てられた犬から育成するという傾向になった。
アメリカやイギリスでも、それは世界的な傾向で、捨てられた犬から聴導犬に育成するというのが一般的な傾向です。


そしてガン探知犬のパイオニア、イギリスのクレア・ゲスト博士は、「犬の本能」を利用した新たな訓練・育成を行っている。

それは・・・

家庭による糖尿探知犬の育成。
糖尿病探知犬は飼い主と常に行動を共にし、血糖異常の匂いを嗅ぎ分け事前に、その予兆を知らせる。
最大で発作の45分前に知らせることができるという。

クレア博士によると、特別な犬種でなくても、糖尿病探知できるようになるという、重要なのは気質。

例えば・・・
・飼い主に深い愛着がある。
・社会性がある。
・学習習得能力が高い。
・2歳までにトレーニングを開始する。


そう・・・


あなたの家の犬が特別な犬である必要はない。
犬は初めから特別な能力を持っているのだ。

今、あなたのとなりでくつろいでいる犬にも、もちろん、特別な能力が備わっている。

いつしかその犬があなたの命を救ってくれる日が来るかもしれないのだ。

人間の群れに加わり、家族として共存することを選んだ愛すべき哺乳類。

かれらの心の声に耳を傾けたかの文豪は、生涯を犬とともに暮らし、こんな言葉を残している。






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[ 2013年02月15日 01時42分 ]
奇跡の地球物語
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奇跡の地球物語「私たちがお米を食べる理由」

奇跡の地球物語「私たちがお米を食べる理由」





元来、米はうまいものである。
うまいものの極致は米なのである。
うまいからこそ毎日食べられるのである。
北大路魯山人


あなたにとって主食とは何ですか?

そう質問されたら私たち日本人は、お米と答えるのではないだろうか?
日本人の主食、米。
大陸から伝わった米に先人たちの知恵が加わり日本の食文化が形成された。
世界に類を見ない独特のメニュー。
お寿司、カレーライス、カツどん、卵かけご飯、主役はもちろん米である。
私たちの食生活を支えている米。
ではなぜ、日本はパンの国にならなかったのか?
もし、米ではなくパンを選んでいたら日本人は存在していなかったかもしれない。
私たちが米を愛する理由、世界に誇る日本独自の食文化、お米に隠された軌跡に迫る!

人類に必要なもの・・・食。
その食文化は世界各国で大きな違いをみせる。
風土にあった料理、異国の文化が混ざり合った料理・・・

そこで世界の人々にひとつの質問をしてみた。

「あなたにとって主食とは?」

日本人⇒「ごはん・・・」、「お米がいちばん・・・」、「お米だよ、僕はね、パンだとかうどんとか好きじゃないから・・・」
日本人ならごく当たり前の答え、主食は米!

では欧米人にとって主食というのはパンなのであろうか?

欧米人⇒「パスタ・ピザ・・・」、「パン・・・」、「ハンバーガー・・・」、「バーベキュー・ステーキ・・・」
パンと答えた人は少なかった。
実はここにお米がもつ驚くべき事実が隠されているのだ。

【堀江武 農学博士】
主食という明確な概念を持っている民族というか、地域というのは、日本や東南アジア圏で言うと米ということになり、ヨーロッパなど欧米諸国は、日本のような主食という明確な概念は、限られている
農学の分野で、主食というと・・・
1.安定して得られること
2.毎日、大量に食べても飽きないこと


辞書で調べてみると、「主食」は英語で Staple Food となる。
Staple とは交易の素材であり、需要が存在する食品のこと・・・
例えば、小麦粉、砂糖、塩のことである。
少なくとも、日本人の中に砂糖や塩を主食だという人はいないだろう。
つまり私たち日本人ように米=主食という概念は、欧米諸国には存在しないのだ・・・
世界に類を見ない食文化、主食といえば米、という考え方は、日本人がいかに米を愛しているかを指し示すものでる。

2大穀物の小麦と米は、毎日世界中の食卓に並ぶ。
特に米は世界の半数の人が食べている。
なぜ、日本人の主食が小麦ではなく米になったのか?
そこには日本人の誕生さえも危ぶまれる出来事があった。


■ 米の期限は今から1万2千年前の長江文明までも、さかのぼる。
中国、長江流域に生息していた野生の稲が発見され稲作が始まったと考えられている。
一方、小麦栽培も時は米とほぼ同じ、今から1万2千年前の中東周辺、ユーフラテス、チグリス川流域で始まったとされている。
この小麦栽培によってメソポタミア文明が生まれ、パンが誕生した。


そして、米は東へ、小麦は西にと広まっていくのだが、なぜ、小麦と米は別の進路をたどったのだろうか?
米の栽培には、水に恵まれた土地、そして気温20度以上という温暖な条件が3ヶ月間、必要である。
そのため、乾燥した西へは伝わらず、モンスーン気候、高温多湿の東南アジアに広まっていった。
小麦は乾燥に強く、雨の少ない地域でも栽培できるため、西へと広まった。
小麦栽培は、ヨーロッパの人々にひとつの財産を生むことになる。

それが、家畜である。


小麦栽培は、土地の生産力低下や害虫の発生を防ぐため、収穫を終えた畑を休ませ、ほかの畑で小麦を栽培する、休閑が通常である。
その畑を休ませている期間に家畜を放牧し、数を増やしたのだ。
つまりヨーロッパでは、小麦栽培によって食肉や乳製品など食文化が生まれた。
一方、日本では、米の伝来によって先人たちが命を救われた。

つまり、米によって今の日本が存在するという。
米が伝わる前、縄文中期の日本の人口は25万人規模だった。
しかしその後(縄文後期)、気候変動などにより、おおよそ、16万人まで減少。
そして日本絶滅の危機を米が救った。


日本絶滅の危機。それを米が救ったという・・・

堀江武 農学博士
稲と水田が伝わらなければ、日本は、人口が増え、高い文化、あるいは技術を持つ国にはならなかっただろう。
縄文期は「どんぐり」とか「しいのみ」とか野生の獣を捕まえて生活をしていた。
そして稲作が伝わって、ほかの作物にない、バランスのよさを保っているということで、まず人口が増えていった。


今、私たちが食べている白米とはちょっと違う、赤米(白米の祖先)。
この高い栄養価を誇る赤米の伝来によって先人たちは命を救われた・・・
更に、水田、稲作は高い技術と多くの人手を必要とするため、人は子孫を増やした。
それが家族制度につながり、集落を生むことになった。
稲作により弥生時代初期には一気に100万人規模まで人口が増えたと言われている。
以来、人口は増え続けた。
米が年貢とされた江戸時代には水田の面積が日本中に拡大。
米の生産量が増えると共に人口も急増した。
現在、同じ米文化を持つアジアの人口は世界の60%(約41億人)。
やはり米は奇跡の食べ物かもしれない。


太古の時より瑞穂の国とたたえられる美しい日本の田園風景。
それは先人たちが長い時間をかけて積み重ねた知恵と努力の結晶なのである。


★縄文時代に伝来した赤米は改良を繰り返し、現在、私たちが口にする白米には驚くべき種類の栄養素が含まれている。
米にはエネルギーになる糖質、脂質と筋肉や内臓を作る良質のたんぱく質をはじめ、ビタミンB1、B2、ナイヤシン、葉酸といったビタミン、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルなど人間に必要な栄養素のほとんどが含まれている。


その上、米はパンや麺類に比べて、消化吸収が緩やかなため、腹持ちがよい。
更に、エネルギーとして消費されやすいので太りにくいとも言われている。
そんな食材、お米をおいしく食べるために、先人たちは色々な方法を生み出した。


ひとつは炊飯という技術。
かつて、お米を炊くときに用いた歌がある。
「はじめチョロチョロ なかパッパ、赤子なくとも蓋とるな」
これは米の炊き方を伝えたわらべ歌。
しかしこれは、ただの言い伝えでなく、科学的に証明されている炊き方である。
実は、最新電気炊飯器のほとんどがこの歌を忠実に再現したものとなっている。


【吉川直美さん】
粒のままでは食べられないお米を水と一緒に炊くということによって、お米の中に含まれている、でんぷんがアルファ化して、でんぷんの質が変わっていって人間が消化しやすくなる。


★ここでお米の炊き方と栄養の変化を見てみよう
点火してからなべの水が沸騰するまでに、おおよそ10分。
その間、米は水分を吸収する。
このとき、米に変化が現れる。
米のデンプン分子と水の分子が結びついていく(結合していく)

乾燥した米に水と熱を加えることで、βデンプンがαデンプンに変わり甘みを生み出す。
【吉川直美さん】
お米と水の間に対流が生み出され、それが炊き上がるとお米が立った状態になり、とてもおいしそうな艶が出来上がる。

沸騰後、火力を調節しながら、15分ほど。
なべの中の水分が全て米粒の中に含まれ、粒は大きく膨らむ。
そして火を消し、米を蒸らす。
おおよそ15分間、なべの中の温度を98度近くに保つことで、中の水蒸気の水分が更に米粒に染込み、表面に粘りを生む。
お米は、米粒の状態から2.2倍ほどの大きさになる。
炊き立てのごはんに見られる表面の白い艶は、お米を覆っている多くの糖質だ。

★十分な栄養素を誇る炊き立てのごはんだが、様々なおかずとあわせることによって、米はとてつもない力を生み出す。

お米を中心とした和食。
ごはんと味噌汁の組み合わせは、栄養学的にみても完璧な関係だという。

【吉川直美さん】
お味噌汁に使われる味噌には、お米には含まれていない、アミノ酸のひとつリジンが含まれている。
ご飯と一緒に食べるとバランスが良くなる理由のひとつ。
若い人にお勧めなのが豚汁とか色の濃い野菜と色の薄い野菜の両方を取ることでビタミンのバランスも良くなる。
豚肉も一緒に取ることで、更にバランスが良くなる。


そして日本の食文化の代表、おにぎりにも隠された事実がある。
代表的な梅干のおにぎり、その中に含まれる酸は、食中毒を防ぐ効果や疲労回復に役立つという。
鰹節は、人間の体では作ることの出来ない必須アミノ酸を含む良質なたんぱく源。
サケには、日本人が不足しがちなカルシウムの吸収を助けるビタミンDが多く含まれている。
様々な具のおにぎりを食べることによって、過食を防ぎ、生活習慣病の予防にもつながるといわれている。
そしてあの卵かけごはん、そこにも驚くべきパワーが含まれている。
楽飯と称される卵かけご飯だが、そこにもしっかりとした栄養バランスの関係がある。


日本人の主食、お米。
どんなおかずにも合い、私たちの食欲を満たしてくれる。


★しかし農林水産省の調査では、日本人ひとりあたりの米の消費量が毎年減っている。
1962年度には118キロだったものが、46年後の2008年度には半分の59キロまで減少している。
その原因は・・・


【吉川直美さん】
色々なものを食べられるようになったという日本人の食のバリエーションが広がった結果である。
しかし、食の自給率が40~41%と低い中、お米だけがほぼ、100%と受給率が高い食べ物なので、せめて一日一食は食べていただきたい。


先人たちの力で日本列島に根付いた米は、私たちの食生活を豊かにし、心を幸せにしてくれる。
それ自体で、生きるために必要な要素が含まれているお米。
奇跡の食。

世界の50%の人々が食べている米は、地球環境保全や途上国の飢餓を救う食材として世界から注目されている。

地球の人口が83億人になるだろうといわれている 2030年、米の生産量は現在の1.4倍必要になるといわれている。
2004年には国連が「Rice Is Life-お米、私たちの命」とスローガンを掲げた。
日本でも米のすばらしさを子供たちに伝えるため、様々な活動が行われている。

そのひとつが「バケツ稲作り事業」
バケツが田んぼの代わりになり、学校やベランダで稲作が体験できる。
そして実ったお米を収穫し、食べることも出来るという。


先人たちが太古より育んできた米文化は、これからも私たちを豊かにし、世界を救うに違いない。

「Rice Is Life-お米、私たちの命」








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[ 2010年11月19日 20時29分 ]
奇跡の地球物語
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奇跡の地球物語「カロリー」

カロリー





真実には特定の時などない、真実はどんな時代にも真実である。
アルバート・シュバイツァー


★チョコレートを食べると太るのか?
いや、実は、同じカロリーを持つ食品と比べてみても、著しい体重の増加や、肥満の現象は現れず、チョコレートを食べると太るという科学的根拠は無い。
どんな食べ物も食べ過ぎれば体重は増える。
問題はなにをどれだけ摂取したか・・・
いまやレストランのメニューやコンビニの食品にもカロリーが表示されているのが当たり前の時代。
しかし・・・そもそもカロリーとはなんなのか?
高カロリーの食品と共に誰もが気になる体脂肪・・・
脂肪は果たして悪なのか?
脂肪を減らせば健康になれるのだろうか?

★今回のテーマは「カロリーと脂肪」
私たちが生きるために必要なエネルギーと命をつないできた生命と進化の秘密に迫る!

美しく健康な体を維持したい・・・
そう心がけている人たちが、毎日の食生活で気になることは、食品が持つカロリーのことではないだろうか?

カロリー・・・

私たちは普段、何気なく使っているが、そもそもこのカロリーという言葉は何を表す言葉なのだろうか?


【国立健康・栄養研究所 田中茂穂プロジェクトリーダー】
カロリーとは熱エネルギーの単位のことです。
1カロリーとは、水1gの温度を1度上げるために必要なエネルギーです。
食べ物のエネルギーは、その食べ物を燃やすことによって計ることが出来る

つまりそのものを燃やした時に出る熱量がカロリーということになる。
カロリーを計ってみる・・・
今では、計測器で簡単に食品のカロリーを知ることが出来る。
 ・バナナ・・・58kcal (お茶碗半分ほどのご飯に相当する。)
 ・寒天・・・30グラムのカロリーを測ってみた。
 結果は122kcal ・・・ ところが店で売られている商品には、ゼロkcal と表示されている。
 これはなぜだろう?

【国立健康・栄養研究所 田中茂穂プロジェクトリーダー】
人はその食品が持っているエネルギーの全てを体で使うことが出来るわけではない。
食物繊維が多くて吸収率が低いので本来持っているエネルギー比べると実際に人が吸収して使えるエネルギーというのが非常に低くなってしまう。

個々の食品にあるカロリー表示は、食品が持つ全エネルギーではなく、人がその食べ物から得ることが出来るエネルギーの量のことである。
一般的に成人男性は、一日 2,300Kcal 女性は、2,000Kcal が必要とされている。
では、私たちが様々な食べ物から得たエネルギーは、どのようにして消費されるのか?

実はエネルギーの半分は基礎代謝によって消費されるのである。
基礎代謝とは、呼吸や内臓の働きなどでエネルギーを消費すること。

基礎代謝は寝ているときにも働き、一日肉体が消費するカロリーの6割~7割を占めており、一般成人女性がおおよそ1200 Kcal 男性で1500 Kcal ほどと言われている。
一方、歩いたりスポーツをしたときに働く活動代謝と呼ばれるものは、どんなに体を動かしている人でも、一日の消費カロリーの5割未満にすぎない。

私たちのエネルギー源となるのは、糖質、脂質、たんぱく質のいわゆる三大栄養素。
人がこの三大栄養素を摂取すると、たんぱく質はアミノ酸に、糖質はブドウ糖に、脂質は脂肪酸などに形を変え、エネルギー源として体中の組織に運ばれる。


しかし、エネルギーとして使われずにあまった栄養素が脂肪となって蓄積される。
例えば、1日で摂取した全エネルギー 3,000 Kcal のうち、2,500 Kcal 消費すると、あまった500Kcalが脂肪となり、体内に蓄積されるということ。


これが太る仕組みだ・・・

しかし、そもそも人が太るのは当たり前なこと。


【石井直方教授】
人間というのは人間である前に動物である。
自然環境の中というのは十分に食料があるというわけではない。
エネルギーを摂取できるときには出来るだけたくさんエネルギーを取り込んで体の中に蓄えて、食糧が少なくなっても生き延びる。
そういうからだの仕組みを持っている方が、生存にとって有利。
現代の人間のそのような仕組みになっている。

人類がこの世に誕生して700万年、その歴史を24時間に換算すると、労せず食料を手に入れられるようになった期間は、わずか1秒にも満たない、残りの時間は、飢餓との戦いの歴史であった。
十分な食料を確保できない時に備え、摂取したエネルギーを脂肪として蓄える。
このシステムを手に入れたことで、人類は命をつなぐことが出来たのだ。

ダイエットに夢中な女性から見れば、脂肪は天敵のような存在かもしれない
しかし、脂肪は私たちが生きていく上で必要不可欠なものなのである。
人類が歴史の中で得た生きるための戦略と言える脂肪の蓄積。
そもそも脂肪はいつから地球上に存在するのか?

【黒島名誉教授】
最初に脂肪を体に蓄えたのはクラゲの祖先であると考えられている。
クラゲがはじめて獲得したという脂肪だが、その機能は、私たちのようにエネルギーを蓄積するのではなく、浮き袋として機能したと考えられている。
エネルギー源として脂肪が使われるようになったのは、クラゲが出現してから更に、数千万年後。
魚類をはじめとする、脊椎動物が登場し始めたころ。
おおよそ、一億年前には我々の仲間である恒温動物の哺乳類が地球上に現れてきた。
そして一層、脂肪組織が発達してきた。
地球上の寒冷環境への適応(体温調節)するため更なる進化。

実は、私たちの体内にある脂肪には、エネルギーの貯蔵庫としての役割以外にも、体温の調節を行うという大切な役割がある。
脂肪が熱を生み体を寒さから守っている。
エネルギーの保存、体温の調節、そして脂肪にはもうひとつ大切な役割があるという。

【東京大学 石井直方教授】
人間の体のなかで一番、脂肪がつきやすい部分というのが、断然、おなか回り。
どうしておなかの回りかというと、人間の進化のプロセスに理由がある。

人が二足歩行を始めたとき、腹部が無防備な状態で前方にさらされることになった。
腹は、胸のように骨でガードされていない。
しかし、腹の内部には、胃腸などの重要な機関があり、それを外部の衝撃から守る、言わばボディーガードのような存在・・・それが脂肪なのだ!

脂肪の大きな3つの役割。
 ・エネルギーの保存
 ・体温調節
 ・身体保護
脂肪は私たちにとって必要不可欠なものである。
密林の聖者といわれる偉大な医師がこんな言葉を残している。
真実には特定の時などない、真実はどんな時代にも真実である。
アルバート・シュバイツァー
遥か古のときから命を守ってきた脂肪。
間違った情報を鵜呑みにすることなく、脂肪の真実を見ない限り、正しく脂肪とは付き合えないのである。

脂肪には大きく、皮下脂肪と内臓脂肪の2つに分けられる。
一般的には、男性に比べ、女性のほうが皮下脂肪が多いといわれるが、実はこれ・・・男女の役割と関係が深い。
思春期、女性は体内から女性ホルモンが分泌されることにより、胸が膨らみ、腰回りが丸みを帯びる。
これは妊娠や出産に備えた肉体の成長。
命を宿し、そして育て上げる。
その役割を果たすため、女性は皮下脂肪の多い肉体を手に入れることになった。
一方、狩などで獲物を捕らえなければならない男性は、動きやすい肉体を必要とした。
そのため、余分な皮下脂肪は邪魔になり、過剰に摂取したエネルギーは内臓脂肪として蓄積されるようになったといわれている。

脂肪は生きるために欠かせない。
しかし、脂肪細胞が過剰なエネルギーを貯め込み膨れ上がると肥満につながる。
無駄な脂肪を燃焼させることが必要となる。

【東京大学 石井直方教授】
体重を落とせばいいと考えがちですが、体重を落とすことではなくて、余分な体脂肪を落とすこと。
脂肪を落とすというのは簡単にはいかない。
長い時間をかけてじっくりやらなければいけない。

サウナに入って汗をかけば1日で2キロ程度の体重を瞬間的に落とせる。
しかしこのとき減るのは、体内の水分のみ。
汗と一緒に体脂肪が流れ出すことはない。

仮に体脂肪を10キロ減らすとしよう。
体脂肪 10キロが持つエネルギーは、70,000 Kcal これをウォーキングで消化するには、単純計算で、東京から札幌までおおよそ、830Km 歩かなければならない。
非常に困難なことだ。

1週間や10日でダイエットを成功させようというのは無理な話。
仮に5キロの体脂肪を減らしたいなら、1年ぐらいかけて強い意志の元、徐々に落とすことが必要だという。

【東京大学 石井直方教授】
確実に成功させようと思ったら・・・
一番基本的なやり方というのは、基礎代謝を高めること。
実際には1日のエネルギーの消費量の約7割ぐらいがこの基礎代謝に相当する。
特に、筋肉を鍛える。
筋肉量が増えると、それに応じて基礎代謝が増えると考えられている。

脂肪を減らすためには筋肉をつけることが大切なのだ。
筋肉が増える分だけ体重が増えると思っているは間違えである。

人間が基礎代謝を高めるためには、どうすればよいのか?

ひとつの答えは、筋肉を増やすこと。
体に発生する熱の大半は、筋肉によって生み出される。
筋肉は動かしていなくても大量のエネルギーを自動的に消費してくれている。
一般的に筋肉が1㎏増えると、基礎代謝によって消費されるエネルギーは1日当り、50Kcal ほど増加すると言われている。
これで単純計算してみると、筋肉が2㎏増えれば、何もせずに、1年で 5㎏の体脂肪が減ることになる。
同じ重さの脂肪が筋肉に変わるとその分、体は締まる。
例えば体重が同じ 50㎏でも脂肪が減った分、スリムな体系になることが可能。

本気でダイエットに取り組みたいなら、
 ・バランスのよい食事
 ・筋トレ
を無理のないペースで継続することが大切なのだ。

甘いものに対して、食べると太るというイメージを持つ人が多い。
しかし、糖分も体には必要な栄養。
例えば、コーヒーに砂糖を入れたからと言って、太るわけではない。
一般的に、食べ物や飲み物からとる糖分のうち、おおよそ 25%は脳が消費していて、時としてこの数字が 70%に上昇することがあるという。

では、なぜ脳は糖分を必要とするのか?

【北條俊太郎先生】
脳が利用できるエネルギーというのは、大部分がブドウ糖。

勉強やディスクワークをしているときに、甘いものがほしくなった経験はないだろうか?
そう、これは脳が栄養をほしがっているサイン。
こんな時、甘いものを取ることで、脳の働きは良くなるのである。

この後、私たちの脳が驚くほど、多くのエネルギーを消費しているというお話を紹介しましょう。


私たちの脳はどれくらいのエネルギーを消費しているのか?
脳の重さは、体重の 2%程度にすぎない。
しかし、体重の約半分を占める、筋肉と同じくらいのエネルギーを消費している。
その量は基礎代謝の 5分の1 に相当する。
脳は私たちの想像以上にエネルギーを消費しているのだ。

唯一の栄養源であるブドウ糖は、脳を働かせるのに必要不可欠なもの。
だからと言って糖分を大量にとって言いということではない。
摂取量と摂取するタイミングが大切だ!

【北條俊太郎先生】
一般的に人は1日に食事を3回、きっちりでんぷん質を取ってほしい。
そうすると、血糖があまり波打たないで(安定して)丁度いいレベルでコントロールされやすい。
ですけど、時々、足りなくなる状況があると思う・・・
特に朝方、スポーツの後など、体の糖分が足らない状態になるので十分取りましょう。

太るから甘いものを取らない。
それでは脳の働きが悪くなる。
適度な量の糖分であれば、脳がエネルギーとして消費してくれる。

脂肪を目の敵にしてきた人はたくさんいるだろう・・・
しかし、脂肪は決して悪ではない・・・

太古の時、クラゲが始めて獲得した脂肪。
後に様々な動物たちに受け継がれた脂肪は、生きるためのエネルギーを蓄える、貯蔵庫として今日まで命をつないできた。
熊やリスは、厳しい冬を迎える前に、
ペンギンは新しい命を育む為に。
渡り鳥は遠い地に向け飛び立つ準備として・・・
脂肪を蓄え、エネルギーを確保する。

そして私たち人間も・・・

適度な脂肪は健康の証。
それは私たちにエネルギーを与えてくれる。
健やかな明日を生きるための活力を・・・
やがて来る未来へ命をつないでいくために。






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[ 2010年10月31日 18時02分 ]
奇跡の地球物語
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奇跡の地球物語「免疫システム 花粉症はなぜおきるか」

奇跡の地球物語(テレビ朝日 日曜日 18:30より)
■■ 2010年 1月24日 放映 「免疫システム 花粉症はなぜおきるか」


それは命が長い時間をかけて育んできた力。
それは命が生き抜くために勝ち取った機能。
その力のあるものだけが生きることを約束され、命をつないでいくことを許されたのです。
そして人は、遥か古のときから知っていました。
人の体には、自分で自分を守る力があるということを…
全ての病気は、どの時期をとっても回復過程であって、苦痛をともなうものではない
フローレンス・ナイチンゲール


免疫・・・抗体・・・あなたも一度くらい耳にしたことがあるだろう。
しかしそれは、具体的にはどんな機能、どんな物体なのだろうか?
例えば、擦り傷が知らないうちに治っている。
例えば、風邪を引いても時間が経てば、自然に治り、これこそ私たちの免疫細胞が働き抗体が活躍している
証拠なのだ。

これまで人類は、様々な病と闘い、いくつもの勝利を収めてきた。
未来、その戦いは永遠に続いていくだろう。
ところが、私たちの免疫細胞は、これまでに一度戦った敵の姿を、ほぼ永遠に記憶しているのだ。
その記憶力は、人間の脳よも遥かに優れているという
しかし、そのめいせきな記憶力が仇となる戦いがある。
それが花粉症との闘い。
花粉症はなぜ起きるのか?
なぜ優れた免疫システムでも解決できないのか?

脅威の免疫システムと花粉症のなぞ!!

■免疫

それは擦り傷が知らないうちに治っているように体内に侵入した細菌やウイルスを私たちの細胞が攻撃、体を元の状態に戻すことをいう。
では風邪の場合、免疫はどのように機能するのか?
風邪とは、肺や気管支にできる急性の炎症。
風邪症候群の通称であり、その原因は、80%がウイルスによるものだ。
空気中を漂う無数のウイルス、実は、ウイルスは自分自身では増えることができない。
何らかの生物に侵入し、その生物の細胞の中でしか増殖できないのだ。
そのため、大勢人が集まると、ウイルスは常に侵入するチャンスを伺っている。
では、ウイルスはどのようにして人体に侵入するのだろうか?

一回のくしゃみで飛ばされたウイルスは、1~2m圏内に推定200万個、そして、口や鼻の穴から簡単に侵入し、二次感染を巻き起こす。

このように人の細胞に入り込むウイルスは、多数存在し、例えば風邪の原因となるウイルスだけでも、実に200種類以上あるといわれている。
だからこそ私たちは、免疫システムを働かせ自ら防御するのだ。
風邪ウイルスは、鼻や口から体内に侵入する、このとき私たちの体には、自分の体を構成する成分とそれ以外の成分とを見分ける能力が生まれながらに備わっているため、風邪ウイルスを異物と判断し、侵入を防ごうとする。
鼻や気道に数多くある粘膜に異物を付着させたり、繊毛を動かすのだ。
しかし、ここを通りぬけ風邪ウイルスが体内に入ろうとすると、粘膜が刺激されて反応が起きる。
これがくしゃみなのだ。

では、冬になるとなぜ風邪が流行るのか?

冬は気温が下がり、空気が乾燥するため、風邪ウイルス自体の動きが活発になる。
また、人の粘膜は乾燥し、繊毛の動きも鈍くなるため、ウイルスの侵入を阻止できず、風邪を引く人が増えるのだ。

風邪ウイルスが体内に入るといよいよ免疫システムが本格的に動き出す。
血液の中で体中を常に動き回っている沢山の免疫細胞たち。
その内、風邪ウイルスに直接攻撃を仕掛ける免疫細胞は主に5つある。

1.マクロファージ
  もっとも大柄で切り込み隊長!

2.好中球
  もっとも数が多く、チームプレイが得意。

3.ヘルパーT細胞
  敵の情報を分析し、攻撃命令を下す司令官

4.B細胞
  優れた記憶力を持ち、武器である抗体製造が可能

5.キラーT細胞
  自らの細胞もろとも完全破壊、一撃必殺

これらの免疫細胞は私たちの体内で一丸となって風邪ウイルスと戦うのだが、その方法は大きく3段階に分かれている。

【 1st Stage 】

初期攻撃と情報収集

まず、先陣を切って攻撃を開始するのは、体内をいつもパトロールしているマクロファージ。
マクロファージは敵である風邪ウイルスを最前線で食べまくり、更なる増殖を食い止めようと必死に戦う。
マクロファージは相手が手ごわいと判断すると、もっとも数が多い好中球に指令を出す。
すると好中球も細菌を食べて攻撃を援護する。
しかし、好中球は細菌を食べると自らも死んでしまい、肺などにその死骸が蓄積する。
それが痰で、その痰を一気に吐き出そうとするのが咳である。
ほかにもマクロファージには大切な役割がある。
それは、風邪ウイルスの動きを弱めるために、脳へ体温を上げるように指令を出すこと。
これがいわゆる発熱。
そのとき体は脳が設定した温度まで早く体温を上げようと震えを起こす。
それが悪寒である。

安部良先生 (医学博士)
-----------------
風邪の症状である熱とか咳が出る、これは困ったことなのですぐに止めたいと薬を飲むことがあるが、実はこのような症状は、体がウイルスと戦って、それをやっつけるために非常に重要な働きなわけです。
ですから基本的に皆さんが風邪だから困ったなと感じている症状というのは、それぞれが生態とっては意味のあることだと覚えておいたほうが良い。

【 2st Stage 】

情報分析

マクロファージや好中球は、風邪ウイルスを必死に食べつくそうとするのだが、中には増殖が速く、自分たちだけでは手に負えない敵もいる。
そんな手ごわい敵に対して彼らは、戦い方を変えていく。
マクロファージは風邪ウイルスを自分の体内に取り込み、その情報を免疫システムの司令塔ともいえる、ヘルパーT細胞に引き渡す。
するとヘルパーT細胞は、受け取った風邪ウイルスの情報を分析し、このウイルスの撃退法を提示する。
こうして弱点が明らかになるといよいよ最終攻撃部隊が出動する。

【 3st Stage 】

最終攻撃と完全防御

ヘルパーT細胞の指令を受け、風邪ウイルス完全撃退のため、一気呵成に最終攻撃を仕掛けるのが、B細胞とキラーT細胞
B細胞は、風邪ウイルスの弱点を元にこのウイルスと結合する抗体を作る。
この抗体は、ウイルスを絶滅させる武器。
ただし、完成するまで3~4日時間がかかる。
そして抗体ができると風邪ウイルスと結合して増殖を抑える。
一方、キラーT細胞は、すでにウイルスに犯された私たちの細胞を丸ごと破壊し、これ以上、ウイルスが私たちを攻撃できないようにする。
そこにマクロファージや好中球も加わり、全ての免疫細胞が激しい総攻撃を仕掛ける。
それで強力な風邪ウイルスもついに死に絶え、私たちの体は健康を取り戻す。


更に日常生活において常に雑菌やウイルスにさらされているため、まったく体の不調を感じていなくても、実は免疫細胞がたくさんの敵たちと激しい戦闘を繰り返している。
実はこれが自然治癒力
自然治癒力について、ある言葉が残っている。


全ての病気は、どの時期をとっても回復過程であって、苦痛をともなうものではない


看護師の母と称されるナイチンゲールは自然治癒力を重んじ、多くの患者の命を救った。
彼女は人の免疫力は時として、何にも勝る能力があるのを知っていた。

そして免疫はほかにも奇跡の力を持っている。
それは記憶力。
実は私たちの細胞には記憶のメカニズムが備わっていた。
この記憶力が花粉症にも深くかかわっている。

細胞が持つ記憶のメカニズム。
それは、ある部分では人間の脳よりも優れているといわれている。

安部良先生 (医学博士)
-----------------
記憶というと皆さんは脳の記憶ということを考えると思いますが、脳というのは一度学んでも忘れてしまう。
免疫の記憶というのは、限られた組織があるのではなくて、体中をぐるぐる回っている免疫細胞の一つ一つが記憶にかかわっている。
そうすると、一度、記憶が成立すると、気がつかない間に常にちょっとづつ刺激されていて、一生長く続く。


免疫細胞の数は、脳細胞のおよそ20倍。
そんな数的要因からか、免疫細胞の記憶はなんと300年間維持できるという説もある。
はしかや水疱瘡などの感染症に一度かかると、二度目の場合、ほとんど症状が出ないで治ってしまう。
これは免疫細胞が記憶を働かせ、かつて作った抗体で病原菌をすぐさま鎮圧しているから・・・
しかし、インフルエンザのように、何度も感染するウイルスもある。
これは、もともと種類も多く、早いスピードで遺伝子を組み替え、次々と新型のウイルスに変化するため、免疫記憶が役に立たないため。


日本人の3人に一人が悩まされているという花粉症。


いまやその被害は、動物たちまでも及んでいる。
花粉症の症状は風邪に似ているが、免疫細胞がウイルスと戦っているわけではない。
対戦相手は、その名の通り花粉。
今、花粉症に悩んでいる人は、実は花粉症に対する免疫がすでに出来てしまっている人なのだ。
私たちの体にスギ花粉が入ると、免疫細胞のひとつB細胞が撃退の武器として、「IgE」という抗体を作る。
そしてこの「IgE」は花粉と結合し、鼻の粘膜の内部に分泌する、マスト細胞に付着。
これで終われば何も問題はないのだが、記憶力を持つB細胞は、次に備え、抗体「IgE」をマスト細胞に残しておく。
そして再び、たくさんの花粉が入ってくると、B細胞は記憶力を使って、再び、抗体「IgE」を量産する。これがマスト細胞についた時、以前残しておいた武器「IgE」と合わさって、過剰な攻撃となる。
実は、この刺激が原因で、くしゃみや鼻水が出、私たちはこれを花粉症と呼んでいる。

そしてここで最新の情報!

近い将来、花粉症を完全に克服する治療法が誕生するかも知れない。
そして、成功の鍵を握るのは、免疫システム!
人類を苦しめる花粉症。
これを克服するためには免疫の力は不可欠。

■減感作療法

弱めた花粉のエキスを一週間に一度注射し、私たちが持つ免疫細胞と花粉をなれさせる。
現在すでに、一般の病院でも治療が可能である。


■経口投与治療

インド原産の「グァー」というマメ科の植物は、スギ花粉のアレルゲンと結合しやすい。
そこで、これらを調剤した薬を経口投与する。
これは腸関係に多い免疫細胞にスギ花粉を日常的に食べさせ、発達させることで、花粉症を抑制する細胞を増やすこと。


■スギ花粉症緩和米

スギ花粉のアレルゲンを米に蓄積させて、遺伝子組み替え米を開発。
この米を食事として食べれば、スギ花粉を敵ではなく食物として認識するため、アレルギー反応が起きないというもの。
現在、安全性を確認するための実験中だが、調理法は通常の白米と変わらないため、早期実用化が期待される。


■マスト細胞除法


花粉症でくしゃみや鼻水が出るのは、花粉を撃退するために作った抗体「IgE」がマスト細胞にたくさん付着しすぎて起こる刺激が原因。
ならばいっそ、このマスト細胞を除去してしまおうという治療法が考えられている。


安部良先生 (医学博士)
-----------------
マスト細胞というのは昔は非常に重要だった。
これは、今のような衛生環境が発達する前は、人類の大敵であった、寄生虫に対して、体を守る主役をしていた。
ただ現在、日本では寄生虫が原因で病気がなくなっているため、マスト細胞を減らす、あるいは機能を抑える、そういうことが出来れば、アレルギーの治療になるのでは?


こちらもまだ、研究の段階だがマスト細胞は花粉だけでなく、食物アレルギーを引き起こす原因でもあるので、完成すれば、多くのアレルギーの人に役立つと考えられている。

そもそも人の免疫システムとはどうやって作られたのだろう。

動物や昆虫、そして草花まで命あるものすべてに備わっている免疫機能。
それは、約35億年前、原始生命体が誕生したときから私たちと共に進化の過程を歩んできた。

安部良先生 (医学博士)
-----------------
基本的に免疫というのは、未知の敵に対して対応できるというすばらしさがある。


私たちの体内には約2兆個の免疫細胞がありその内5%は、毎日外敵との戦いの末死んでいる。
しかし、同時に5%の免疫細胞が新たに生まれてくる。
だからこそ、あなたの体内にも、とても優秀な免疫細胞が実はまだ眠っているかもしれない。
例えば、がん細胞さえも破壊するNK細胞、この強力な免疫細胞を活性化させるのに有効な手段が最近明らかになってきた。

ひとつは、笑うこと。
人は笑うとリラックスし、ストレスを抑えるホルモンを分泌する。
これが免疫の働きを活発にしてくれる。

そしてもうひとつが森林浴。
美しい緑と樹木独特の香りは、五感を通してひとの神経を刺激する。
これが免疫機能を活性化するのではと言われている。

人間の免疫力は壮大な時空を旅し、受け継がれてきた命の証。
肉食恐竜のティラノサウルス・レックスは寄生虫病に対する免疫を持たなかったため絶滅。
そしてマンモスは人間と共生した犬が持つ病原菌に対して免疫を持たなかったため滅びたという説もある。
私たち人間は、長い歴史の中で様々な病原菌やウイルスに打ち勝ち、強い免疫システムを手に入れてきたからこそ今日まで命をつなぐことが出来たのだ。
そして未来、私たちは更に進化を遂げた生命の武器を得るかも知れない。


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[ 2010年10月09日 19時49分 ]
奇跡の地球物語
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